空色の渚オンライン

希望があれば、なんとかなる。

そう思うのですよ。

雨あがりに、たとえ濡れたままの状況だとしても、

『乾くよ』

と思えればOKです。




それくらいで、いいと思います。

ひとにぎり。その程度のもの。

なにが。

そうだなあ。

解釈、かな。




たったひとつの行動をめぐって、解釈が分かれてしまうことがある。

同じギルドの中で、仲良くやってきた仲間だからこそ、たもとを分かつときもある。

解釈の違いです。



前向きに、生きていこう。

いろいろと超えていく。
あれも、これも。乗り越えて。

まったくなあ、なんでこんなことになっちゃったんだろうな。
たかがゲームなのに。
人間関係で、こじれるなんて最悪だ。
たかがゲーム。でも、向こうも人間。生身の、感情を持っている誰かなんだ。

そう。だからさ、こっちだって人間なんだってば。





ときどき『画面の向こうにいるのは人間です』と言う人がいる。
そんなの当たり前じゃんかな？
だからこそ言いあいもあるし、誤解も生まれるし、派閥もできてくる。

お互いさまっていうのはさ、
てめえだけじゃなくて、
『お前が嫌っている相手』も人間様だってことを認めないと始まらないんだよ。

一方的すぎる関係に疲れて逃げ込んだのがオンラインゲームだったけど、
まさかゲームでも。ていうか、そもそも人間関係そのものなんだよね、
パーティーもギルドもサークルも。




さあ、今日も、はりきっていきますか。

おれが思い浮かべる春のイメージは、どんどん芽が出て来る感じ。
ひっきりなしに、次から次へと。どうしようもないくらいに、止まる気配なんてないくらいに。

春は、そういうイメージ。
うるさいとか、にぎやかとか、そういうのも超えて、わらわらと、どうしようもない感じ。
世界樹に来ると思う『ここの春はニセモノだ』と。
静か過ぎて穏やか過ぎて安らかで、ニセモノだ。と。

リアルの春は寒くて凍える。暖かさなんて、これっぽっちもない。
ときどき初夏のような日差しが昼間に限って降り注ぐけれど、それは熱い。
熱過ぎる。
極端なんだ。

春はニセモノ。
ちょうどいい感じなんて、これっぽっちもない。
でも、なぜだろう。
とても、嬉しくなる。
狂気が満ちているからだと思う。
春は空気に狂気が満ちている。
すまし顔なんて意味ないのさ。
おしとやかそうに見える彼女が、いつもとは比べものにならないくらい短いスカート。
階段を駆け昇って、くるくると踊り狂うんだ。
なにもかもを壊すような勢いで、
やわらかい生地が空気を切り裂いていく。

だからこそ安心できる。
おれは安心して、彼女を信頼できる。
そうさ。狂える人間だけが、信頼できるんだ。
自分の狂気を受け入れて、世界の狂気を肌で感じつつ、相手の狂気を感じ取る。
そうでなければ信頼関係なんて築けないだろう。

何かが動いた。


そのとき、



「危ない。後ろ」と叫びが聞こえる。





次の瞬間、


画面が真っ白に飛んだ。