憩いの場を求めていました。
いつか、どこかで、きっと出逢える場所、居場所。
そんな憩いの場を。
広告ポスターには、世界樹が大きく描かれていました。
絵柄は同じでも、キャッチコピーが何種類か、あるような。
貼ってある場所によって印象が違います。
地下鉄に乗って駅に着くと、地下通路の壁にポスターが貼られています。
つい、この前までは、アニメ放送開始の広告。
つい、この前のように思い出せるのは、数年前の新譜の広告。
いま、ずらりと並んでいるのは、
オンラインゲーム・・・タイトルは、なんていうんだろう。
というより、どれがタイトルなのか。
あるいは、すべてでタイトルなのか。
どこからどこまでが説明で、
どのあたりがタイトルで、
つまり、
なんのゲーム?
眺めながら歩いていた私は、ふと足を止めていました。
銀色に輝くツインテール、
少し厚手な生地を思わせる制服、
紺色のミニスカート、
開いた手の広げた指先に煌めく微粒子、
サンオイル塗ったばかりのような光沢を放つ、
まぶしい、ふともも。
感じる風は世界樹の向こうに広がる溪谷から吹いてくるのでしょう、
ふらり穏やかに揺れるスカート、
ふわり浮きあがるスカート、
蒼く霞む地平線もしくは水平線あるいは湖平線。
見えそうで見えない、あのあたり。
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